贈与契約は「あげますよ」「もらいますよ」という2つの意思が合わさって成立する契約です。
よく問題になる名義預金は、一方的に他人(家族ではありますが。)の名義で預金しているだけなので、「もらいますよ」という意思と合意がなく、
贈与契約が成立していないという事になります。
契約書を作成する意義
贈与は口頭でも契約は成立します。
しかし、第三者(税務署)に対して贈与契約の成立を明らかにする必要があります。
お金が振り込まれただけでは、借りた可能性もあります。
そこで、双方の合意を明確にするため契約書を作成し、
期限を指定して口座振り込みをする事で資金移動の証拠を残します。
さらに、口座および印鑑は財産を受領する人の管理下にあるものを使用する事で、
体裁だけ整えているわけではないという事を証明します。
贈与契約書のサンプル
100万円を5年間あげる契約
財産を贈与する人が①心の中でトータルで500万円あげようと考えて、財産をあげる都度、贈与の合意をする事と、②契約(ここでは口約束も。)で100万円を5年間贈与すると合意するのでは、贈与税額の結論が変わります。暦年課税の贈与税には110万円の基礎控除が毎年あります。毎年110万円までであれば、贈与税がかかりません。(当然に、双方で合意している贈与契約である事が前提です。)
①の場合、財産を上げる都度合意しているので、100万円<110万円 なので、贈与税はかかりません。
②の場合、最初から500万円を贈与する事が合意事項で、分割しているだけです。
贈与は引き渡しが要件ではないため、②も贈与契約として成立します。
その結果、500万円 - 110万円 =390万円 に対して贈与税が課税されます。
金額や時期をバラバラにするという事も対策になるかもしれませんが、
そもそも論としては、贈与の都度、合意をしているという事が大切です。
②の場合は、合意が1度きりですが、
①の場合は、結果5年間贈与したなら、5回個別に贈与の合意をする事になります。
まとめ
贈与の奥深さについてご理解頂けたら幸いです。ご相談等は下記のフォームよりお願い致します。