ものづくり補助金の対象は、製造業に限りません!
正式名称は、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 と言います。
かなり幅広い業種が対象となっていますので、賃上げ促進税制や設備投資の即時償却などを検討されている事業者の方は、併せてご検討ください。
ものづくり補助金をおすすめする事業者とは
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援するための補助金です。
既存事業の延長線上で、製品やサービスの開発やプロセスの変更を【革新的に※】行う予定の事業者の方におすすめします。
※革新的にといっても、オンリーワンという意味ではありませんので、ご安心ください。
18次での内容がどうだったかを以下に記載します。イメージをつけて、準備しましょう。
基本要件(18次)
- 事業者全体の付加価値額(営業利益+減価償却費+人件費)を年平均成長率3%以上増加(複利という事です)
- 給与支給総額を年平均成長率1.5%以上増加(複利という事です)
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
18次の申請枠・類型
省力化(オーダーメイド)枠
人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等が対象となります。
オーダーメイド設備とは、AI、ロボット、センサー等を活用し、生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータとの連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムのことをいいます。
デジタル技術等を活用せず、単に機械装置等を導入する事業については、本事業の対象とはなりません。
項目 | 要件 |
補助金額 | 最大8000万円 中心は1000万円位? |
補助率 | 最大 2/3 |
追加要件 | ①3~5年の事業計画期間内に、補助事業において、設備投資前と比較して労働生産性が 2倍以上となる事業計画を策定すること ②3~5年の事業計画期間内に、投資回収可能な事業計画を策定すること ③外部SIerを活用する場合、3~5年の事業計画期間内における保守・メンテナンス契約を中小企業等とSIer間で締結することとし、SIerは必要な保守・メンテナンス体制を整備すること ④金融機関(ファンド等を含む。)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出する事 |
製品・サービス高付加価値化枠
単に設備・システムを導入するにとどまり、製品・サービスの開発を伴わないものは該当しません。
通常類型
革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援します。
項目 | 要件 |
補助金額 | 最大8000万円 中心は1000万円位? |
補助率 | 最大 2/3 |
追加要件 | ①3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること ②金融機関(ファンド等を含む。)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出する事 新型コロナ回復加速化特例:以下の全ての要件に該当するもの (1) 常時使用する従業員がいること (2) 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること (3) 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額が1.5%以上増加目標を達成していること (4) 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準を達成していること ※1 (3)及び(4)が未達の場合については、補助率引き上げ分について返還を求めます。 ※2 本特例を受ける場合は、大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例の対象とはなりません。 |
成長分野進出類型(DX・GX)
今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発※の取組みに必要な設備・システム投資等が対象です。
項目 | 要件 |
補助金額 | 最大2500万円 中心は1000万円位? |
補助率 | 最大 2/3 |
追加要件 | ①3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること ②金融機関(ファンド等を含む。)からの調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認を受け、金融機関による確認書を提出する事 ③DX:DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること ④GX:グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること |
グローバル枠
対象が限定されるため、ここでは割愛します。
ものづくり補助金(18次)の対象経費
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/18th/公募要領_18次締切_20240408.pdf
収益が得られた場合
事業化状況の報告から、事業により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければなりません。
gBizIDをお持ちですか?
補助金の申請には、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要となります。未取得の方はお早めに利用登録を行ってください。
少し時間が必要になるので、補助金の申し込みに関わらず、IDの取得をおすすめします。
申請から補助金取得までの流れ
- 税理士等の認定支援機関に相談
そもそも設備投資等が補助金の対象になりそうか検討が必要です
- ものづくり補助金申請サポートのご契約
- 現在の状況についてヒアリング
ものづくり補助金は、事業計画を策定する必要があります。
また、融資なども必要になるため、現況について丁寧にヒアリングをさせて頂きます。
- 事業計画の策定支援
日本で一番採択されたと言われる【ものづくり補助金】の雛形を用いて、採択のポイントをついた事業計画の策定をご支援いたします。
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/18th/公募要領概要版_18次締切_20240219.pdf
- 申請・審査・補助金交付候補者決定
この段階で、税抜50万円以上の経費については、見積を2社以上から取得依頼します。
- 交付申請手続きのサポート
補助金交付候補者の採択を受けた後、補助事業に取り組むためには交付決定を受ける必要があります。
- 交付決定
- 補助事業実施
補助事業実施期間内に、発注・納入・検収・支払等の全ての事業の手続きを完了し、実績報告書を提出しなければなりません。補助事業実施期間後に発注します。
なお、銀行振込のみとお考え下さい。
- 効果検証
設備を導入・設置しただけでは、補助対象となりません。生産プロセスの改善を図る事業計画などは、設備導入後にどれだけの改善につながったかを事業完了期限内に検証し、事業完了後に事務局へ実績として報告する必要があります。
- 対象物件の管理および経理体制の整備
補助事業により取得した資産は、補助事業のみで使用する事となります。
また、中間検査・確定検査においては、経理書類(証憑・元帳など)が必要となります。
御社の経理体制に合わせたサポートが必要となります。
◼機械装置、原材料などの補助対象物件には管理No.を記載したラベルを貼付してください。
◼管理No.は、実績報告時に作成する費目別支出明細書と一致させてください。
◼ 貼付・記入位置は、型番のプレートの下など確認しやすく、作業の邪魔にならない場所としてください。
◼ 原材料など直接貼付・記入がしにくい物品については、箱やケースに貼付して管理してください。
書類のすべてに管理Noを記載する。右上
品目別の管理No.を記載する
相見積書・注文書
納品書 ①「補助事業者側で検収した日付」②「検収担当者名」③「検収」の文字
請求書 原本(振込口座の記載があること)
振込依頼書(通帳のコピー等で代用不可)
- 画像データの保管 納品時、設置時、事業実施時に写真が必要
納品時、設置時、事業実施時に写真が必要です。
◼補助事業実施期間中には様々な状況の写真(画像データ)が必要です。
◼ 機械装置等の納品時などの写真は、後で撮り直すことができませんのでご注意ください。
◼ また、原材料など量の多いものは、その数量(個数)がわかるように撮影してください。
◼ 機械装置の特別な付属品等がある場合は、それらの写真も必要となります。
- 中間検査
経理証拠書類(各種元帳を含みます。)の原本を確認
- 実績報告
- 確定検査
経理証拠書類(各種元帳を含みます。)の原本を確認
- 補助金の請求
- 補助金の入金
12ヶ月ぐらいを見ておいた方が無難です。
ただし、概算払いの申請も可能です。
補助金交付決定額の90%を上限として、「支払済み補助対象経費 補助率」の額を支払う制度。なお、支払済み経費の証憑(請求書及び金融機関の振込金受取書等)の提出が必要。
- 事業化報告書の提出 6回
本事業の完了した日の属する会計年度(国の会計年度である4月~3月)の終了後5年間、3/31から60日以内に本補助事業に係る事業化等の状況を事業化状況(収益状況含む)・知的財産権等報告書により報告します。また、事業場内最低賃金の確認のため、「賃金台帳」の提出をします。
まとめ
申請だけでなく、その後も結構、自力で対応する事が大変だと思います。新しい事にチャレンジする場合に利用する「ものづくり補助金」ですので、
重要度が高くない事務的な部分については、お任せいただいた方が良いと思います。