経営者の相談内容を見ていると、資金繰りと同じぐらい多いのが人事問題です。
会計事務所も同様です。
セミナーでは、どのように採用しているか?というお題がよくあります。
そして、そこで「給与はモチベーションを上げない」
という話を仰られている経営者がいらっしゃいました。
実は、採用がうまく行っている企業には共通項があります。
採用がうまくいっている会社の共通項とは
アプローチは違いますが、究極的には、「なりたい自分」「そうでありたい自分」
とにかく皆「自分」大好きです。私も褒められると嬉しいです。
会社について、技術的にどうこう という話は表面的にあるかもしれませんが、
究極的には「自己承認欲求」をどう満たせるのか であり、
その自己承認欲求にアプローチしている会社が、
採用率や離職率が低い傾向にあるように感じます。
それが金銭やオフィス環境など分かりやすい形であれば、
採用率は上がるかもしれません。
ただし、給与はモチベーションを上げないという話もあるように、
離職率と言う観点からは、表面的な「自己承認欲求」を満たすというよりも、
作業の繰り返しではなく、ステップアップできるチャンスをいかに用意できるか
が、繰り返し作業になりがちな業界には必要と感じました。
御社が提供できて、他社に提供できない価値とは?
社会全体で人不足が騒がれています。
そのため、競争相手はかつてよりも増えています。
果たして御社はどの様なチャンスを提供する事で、
他社よりも採用で優位に立つのでしょうか。
提供するチャンスが言えるならば、楽になると思いませんか?
売上を考えるにあたって、自社と他社の違い・強みを比べる事になりますが、
これは人事にも通じると思っています。
情報整理をするためのツールが、ブランド・ステートメント・ワークシート です。
下記のリンクでも触れています。
「ブランド・ステートメント・ワークシート」は、
自社の強みの理解 + それを基礎とした提案書 + アクションプラン
で構成されます。
1枚提案書の下書きまで入れるとA4で10ページ程度のボリュームです。
この作業のポイントは、バリュープロポジションの言語化にあります。
バリュープロポジションとは、要するに、お客様(求職者)に対して、
競合他社が提供できない価値です。
言語化ができていないと、よほど独自製品を確立していない限りトークできないと思います。
うちの会社、他と変わらないよ~ と思っている社長!
サービスは同じ、売っているものは同じ だけれども、この切り口では、
競合他社は手を付けていない、手を付けていたとしても力を入れていない
そんな領域でも大丈夫です。
この領域を狙っていくのが、弱者の戦略 ランチェスター戦略 第一法則となります。
準備していなければ、「話せない」という事は想像に難くありません。
「ブランド・ステートメント・ワークシート」を通じて、最終的に、
1枚提案書を作成できたなら、「採用の再現性を高める」事が可能になります。
想像して下さい。
当然、まずは求職者の話に耳を傾ける必要がありますが、
その上で、
もし、たった1枚の提案書で上から順々に読むだけで
御社の強みとポイントが、求職者の自己承認欲求(私がどうなれそうか?)を
満たせる可能性を感じ取ってもらえるなら、十分ではないでしょうか?
さらに資金の観点からのご提案
給与はモチベーションを上げないとしても、一定程度は業界内で賃金競争をしている以上は、
集めやすい金額を用意する必要があります。
その場合、既存の従業員の給与もアップしないといけない場合があります。
事業計画を作って頂き、借入で調達する必要があるのか、
さらにプラスで何をどれぐらい販売しなければならないのか、
を是非、把握して頂きたいです。
また、給与があげられない場合に、
新しいチャレンジなどする余裕がないかもしれませんが、
それでも、小さな挑戦にも人を惹きつける力があります。
仕事が繰り返しの作業になりがちであれば、
少しでも小さな挑戦をして頂く事をおすすめします。
社長には、他人が共有可能な夢を語って頂きたいです。
まとめ
話を聞き自己承認欲求にアプローチし、チャレンジする姿勢を会社として打ち出す
そのような会社の採用が上手に言っているという話でした。
しかし、賃上げの流れがある以上、体力がない会社は採用が困難になります。
早め早めの資金対策を行い、他社よりも先んじて人材を獲得しましょう。
最近の補助金は、給与アップがキーワードです。
給与アップされる際には、あわせて補助金・経営強化税制をご検討ください。