「ものづくり補助金」と言う名前ですが、対象は製造業だけではありません!
中小企業等が直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度です。気になる採択率は50%程度です。
事業再構築補助金とものづくり補助金の違い
既存事業をよりよくする場合が「ものづくり補助金」、既存事業が厳しいため、新しい事業・手法を行うのが「事業再構築補助金」と簡単に言うとなります。
ものづくり補助金16次の事業期間
以下の補助事業実施期間内に、発注・納入・検収・支払等の全ての事業の手続きが完了する事業で
あること(原則、補助事業実施期間の延長はありません)。
・通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠:交付決定日から10ヶ月以内。ただし令和6年12月10日まで。
・グローバル市場開拓枠:令和6年12月10日までとします。
次回公募(17次締切分)及び次々回(18次締切分)においても、補助事業実施の期限は最遅で令和6年12月10日までとなりますので、ご注意ください。
公募期間
公募開始:令和5年7月28日(金) 17時~
申請受付:令和5年8月18日(金) 17時~
応募締切:令和5年11月7日(火) 17時
基本要件
<以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定することが必要>
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加など
・事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。
<以下に同意の上、事業計画を策定・実行することが必要>
・申請時点で、申請要件を満たす賃金引上げ計画を策定していることが必要です。交付後に策定していないことが発覚した場合は、補助金額の返還。
・財産処分や収益納付等も含め、補助金等の返還額の合計は補助金交付額を上限とします。
・再生事業者である場合には、各目標が達成できていない場合であっても返還は免除します。
基本要件未達の場合の返還義務
<給与支給総額の増加目標が未達の場合>
・補助事業を完了した事業年度の翌年度以降、事業計画終了時点において、給与支給総額の年率
平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合は、導入した設備等の簿価又は時価のいず
れか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返
還を求めます。
・ただし、付加価値額が目標通りに伸びなかった場合に給与支給総額の目標達成を求めることは
困難なことから、給与支給総額の年率増加率平均が「付加価値額の年率増加率平均/2」を越
えている場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、上記の補助金一部返還
を求めません。
・また、給与支給総額を用いることが適切ではないと解される特別な事情がある場合には、給与
支給総額増加率に代えて、一人当たり賃金の増加率を用いることを認めます。
<事業場内最低賃金の増加目標が未達の場合>
・補助事業を完了した事業年度の翌年度以降、事業計画期間中の毎年3月末時点において、事業場
内最低賃金の増加目標が達成できていない場合は、補助金額を事業計画年数で除した額の返還を
求めます。
・ただし、付加価値額増加率が年率平均1.5%に達しない場合や、天災など事業者の責めに負わ
ない理由がある場合は、上記の補助金一部返還を求めません。
申請枠の概要 ※グリーン枠とグローバル枠は記載していません。
通常枠
項目 | 詳細 |
---|---|
要件概要 | 革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援 |
補助金額 | – 従業員数5人以下 :100万円~750万円 – 6人~20人:100万円~1,000万円 – 21人以上 :100万円~1,250万円 |
補助率 | – 1/2、小規模企業者・小規模事業者 再生事業者(※)2/3 |
補足1 | 小規模企業者・小規模事業者は、常勤従業員数が、製造業その他・宿泊業・娯楽業では20人以下、卸売業・小売業・サービス業では5人以下の会社又は個人事業主を言います。補助率は2/3ですが、補助金交付候補者として採択後、交付決定までの間に小規模企業者・小規模事業者の定義からはずれた場合は、1/2に変更となります。交付決定後における従業員数の変更も同様であり、確定検査において労働者名簿等を確認しますので、補助事業実施期間終了までに定義からはずれた場合は補助率2/3から1/2への計画変更となります。特定非営利活動法人は、従業員が20人以下の場合、補助率が2/3になります。 |
補足2 | 本事業における再生事業者の定義は、別紙4の通り。それぞれの枠の補助率に関わらず、補助率が2/3となり、また基本要件未達の場合の返還要件の免除があります。 |
回復型賃上げ・雇用拡大枠
カテゴリ | 項目 | 詳細 |
---|---|---|
概要 | 〈回復型賃上げ・雇用拡大枠〉 | 業況が厳しい事業者が行う、革新的な製品・サービス等の開発に必要な投資を支援 |
条件 | 応募締切時点の前年度の課税所得 | ゼロ以下 |
常時使用する従業員 | 必要 | |
補助金額 | 従業員数5人以下 | 100万円~750万円 |
6人~20人 | 100万円~1,000万円 | |
21人以上 | 100万円~1,250万円 | |
補助率 | – | 2/3 |
追加要件 | 前年度の課税所得 | ゼロ以下 |
常時使用する従業員 | 必要 | |
賃上げ目標 | 給与支給総額の増加率が1.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上 | |
返還要件 | 賃上げ目標未達 | 補助金交付額の全額返還 |
天災等の非責任事由 | 補助金返還不要 | |
特別な事情 | 給与支給総額増加率に代わり、一人当たり賃金の増加率を認める |
デジタル枠
項目 | 詳細 |
---|---|
要件概要 | DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援 |
補助金額 | – 従業員数5人以下:100万円~750万円 – 6人~20人:100万円~1,000万円 – 21人以上:100万円~1,250万円 |
補助率 | 2/3 |
基本要件に加えた追加要件 | 以下の全ての要件に該当: ① DXに資する革新的な製品・サービスの開発 又は デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善 ② 経済産業省のDX推進指標を活用して、DX推進に関する自己診断を行い、その結果をIPAに提出 ③ IPAの「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言を行っている |
大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例
項目 | 詳細・内容 |
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大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例 | |
補助上限額の引き上げ額 | – 5人以下:最大100万円引き上げ – 6人~20人:最大250万円引き上げ – 21人以上:最大1,000万円引き上げ |
追加要件 | 以下の全ての要件に該当: (1)年率平均6%以上の給与支給総額増加 (2)毎年、事業場内最低賃金を年額+45円以上増額 (3)具体的かつ詳細な事業計画の提出 |
追加の返還要件 | – 年率6%以上の給与支給総額増加目標未達成時の補助金返還 – 毎年、事業場内最低賃金を年額+45円以上増額目標未達成時の補助金返還 – 常時使用する従業員がいなくなった場合の補助金返還 |
まとめ
ものづくり補助金を新しいチャレンジに活用してみてはいかがでしょうか。