資金不足による黒字倒産という言葉がある様に、資金がなければ会社は倒産します。逆に資金さえあれば、どんなに赤字であっても存続可能です。

本格的な資金不足に陥る前の具体的な対策も以下に記載しています。

特に中小企業の経営者は、資金繰りの難しさを感じることが多く、それが経営の安定性や拡大、精神衛生に大きな影響を与えています。この記事では、資金不足が経営に与える影響と、それを解決するための具体策を記載します。

経営悪化の要因としての資金不足

資金不足は、取引関係の悪化や人員の削減といった直接的な影響をもたらします。

東京商工会議所が実施した以下の調査結果によれば、本質的な対応ができていない会社は一定程度あるようです。

現在の返済状況で「据置期間中(借り換えをして据え置きを延長した)」と回答した企業では、今後の返済見通しについて、「約定通り返済可能」と回答した割合は半数以下にとどまり、「借り換えにより、据置期間の延長等をする予定」が37.3%となっている。今後の返済開始時には約定通り返済ができない企業の増加が懸念される。

返済見通しが厳しいと回答した企業における資金繰りの相談先については、顧問税理士や金融機関が多い一方、「相談していない」も10.1%となっている。

2022年12月「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果

さて、資金不足になる事によって、どの様な問題が生じるでしょうか?

  • 業務遂行の困難:

原材料の購入や生産に必要な資金が手元にないため、生産活動が停止する恐れがあります。

新しいプロジェクトや事業展開の計画が遅れたり、中止されることが考えられます。

  • 人員の削減や賃金の遅配:

資金が不足すると、給与の支払いが遅れることがあります。

さらに、人員を削減することで経費を削減しようとすることが考えられます。

  • 取引関係の悪化:

取引先への支払いが遅れることで、取引関係が悪化します。これにより、信用を失い、将来的な取引が困難になることが考えられます。

  • 資金調達の困難:

資金不足の状態が続くと、銀行などの金融機関からの融資を受けるのが難しくなる可能性があります。

経営の不安定化:

経常的な資金不足は、経営の不安定化を招きます。これにより、経営破綻のリスクが高まることが考えられます。

  • 社内のモチベーションの低下:

資金不足による給与の遅配や人員削減などは、社員のモチベーションを低下させます。これにより、社内の雰囲気が悪化し、生産性の低下や退職者の増加などの影響が出ることが考えられます。

  • 成長機会の喪失:

投資や新事業展開の機会を逃すことで、企業の成長が停滞する可能性があります。

競争力の低下:

資金不足により、新しい技術や設備の導入が困難になると、競合との競争力が低下することが考えられます。

これらの影響は、企業の規模や業界、経営状況などにより異なりますが、どの企業にも資金繰りは非常に重要な要素であり、その管理と対策が必要です。

資金不足の主な原因

資金不足に陥る主な原因には以下があります。

  • 売上の減少や未回収の債権:経済の変動や競合との競争が原因で売上が減少すること、または取引先の経営状況の悪化により債権が回収できないことがあります。
  • 高額な固定費や過度な在庫:過大な人件費や家賃、在庫の過剰などが経営資源を圧迫します。
  • 無駄な経費や不適切な投資:新しい事業や設備への投資が思うような利益を生まない場合、資金の流出が加速します。

資金不足対策の具体例

資金不足に対応するためには以下の事をします。

  • 債権回収の徹底
  • 無駄な固定資産の売却
  • 値上げ ※販売数量を増加させると仕入れ代金が増加しますので、要注意
  • 借入金の借換え

資金不足解消の効果を出しやすく、わかり難いのは、借入金の借換えであると思います。

借入金の借換えとは

借入金の借換え(またはリファイナンスとも呼ばれる)とは、新たな融資や借入れを受けて、それを使って既存の借入れや融資を返済することを指します。

例えば、月々の返済額が58万円 借入残高4320万円の会社があるとします。

これを15年 4320万円の新しい借入契約で借換えます。借入金で借入金を返します。

その結果、月々の返済額は24万円になり、実に月額34万円の資金繰りが改善します。

借換え制度

借換え制度については、次の3つをご案内します。

  • 日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付など
  • コロナ借換保証
  • 経営改善サポート保証

日本政策金融公庫のコロナ融資については、令和6年3月末まで延長されましたので、日本政策金融公庫のコロナ融資については借換えが20年以内(うち据置期間5年以内)となっています。

新型コロナウイルス感染症特別貸付(※)、生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付(※)、新型コロナ対策資本性劣後ローン、生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン、[新型コロナ関連]マル経融資(小規模事業者経営改善資金)(※)及び[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付(※)の申込期限並びに[新型コロナ関連]農林漁業セーフティネット資金の融資決定期限が令和6年3月末まで延長されました。
(※)令和5年10月1日(日)のお申込受付分から、融資後3年目までの金利引下げ幅が縮小(基準利率-0.9%→基準利率-0.5%)となりました。

https://www.jfc.go.jp/

ただし、民間金融の借入金は借換えの対象になりません。

コロナ借換保証は保証協会が1億円まで10年以内、据置5年で保証してくれる制度です。

ただし、使える対象者が限定されています。

売上または利益率が5%以上減少している方などとなります。

この減少要件がネックとなり、難しい使えない法人も多くあると思います。

また、保証協会一般枠を使ってしまう場合もあるので注意が必要です。

制度概要

保証限度額1億円
保証期間10年以内
据置期間5年以内
金利金融機関所定
保証料(事業者負担)0.2%等(補助前は0.85%等)
要件売上または利益率が5%以上減少 など
その他・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能
・経営行動計画書の作成
・金融機関の継続的な伴走支援
取扱期間2024年3月31日まで(予定)
※信用保証協会に保証申込がなされたもの

申込人資格要件の詳細については、こちら(PDF形式:63KB)をご参照ください。

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html

経営改善サポート保証(コロナ対応)も、保証協会が保証を出す制度となります。

ただし、一般枠ではなく、別枠となります。さらに、売上高減少要件はありません。

保証限度額は2億8000万円 据置期間5年となります。

借換えの例はこの経営改善サポート保証をイメージしています。

制度概要

保証限度額2億8,000万円(一般の普通・無担保保証とは別枠)
保証割合責任共有保証(80%保証)。ただし100%保証およびコロナ禍のセーフティネット保証5号からの借換については100%保証。
(いずれも保証付きの既往借入金の範囲内の額を借り換える場合に限る。)
保証料率0.2% (国による補助前は原則0.8%または1.0%)
金利金融機関所定
保証期間15年以内
据置期間5年以内
取扱期間2024年3月31日まで延長

※感染症対応型ではない通常の経営改善サポート保証についても上記計画が対象に追加されます。

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/kaizen_saisei.html

皆さん、これを使えば良さそうな気がします。

しかし、ハードルがあるため、名前をあまり聞かないのだろうと思います。

経営革新等認定支援機関と一緒に事業計画等を作り、全債権者の合意が必要です。

この事業計画策定の報酬は補助金の適用があれば、2/3負担されます。

ただし、チャレンジする価値は十分にある制度となっています。

最後に

経営改善サポート保証やコロナ借換保証に対応している藤原淳税理士事務所は事業計画策定を重視した経営革新等認定支援機関です。顧問契約も不要ですので、資金繰りに不安がある方は、是非ご一報ください。

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