経営力向上計画の認定を受けると、設備投資の即時償却や税額控除などの税制措置や金融の支援等を受けることができます。
ズルい社長は、大体の予定で経営力向上計画を先に取得してしまうのです。あとで計画の修正は可能です。
なお、計画申請に際しては、認定支援機関のサポートを受けることが可能です。
金額的なメリットが大きい割に経営力向上計画はA4サイズ3ページ程度です。
そのため、設備投資を行う社長には是非お使い頂きたい制度です。
経営力向上計画のメリット
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/pdf/tebiki_keieiryoku.pdf
経営力向上計画の認定を受けた場合の支援措置は以下があります。
- 生産性を高める設備投資:即時償却または取得価額の10%
- 日本政策公庫による設備資金融資:20年以内 など
- 補助金の優先採択:持続化補助金の加点など補助金での加点
- M&A時の不動産移転に係る登録免許税・不動産取得税の軽減
- M&A時の株式取得価額の一定割合の損金算入
- 許認可の承継を可能にする法的支援
制度利用のポイント
- 申請書様式は3枚程度
- 認定支援機関による計画策定サポート
- 税制・金融・法的な3種類のタイプの支援措置
- 補助金の加点
申請対象者
経営力向上計画の認定を受ける事ができる特定事業者等とは、以下の会社です。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/pdf/tebiki_keieiryoku.pdf
非常に対象は広いですが、少しクセがあります。
個別の制度によって、特定事業者・特定事業者等・中小企業者と対象が変化します。そのため、経営力向上計画の認定を受けたからといって、個別制度の対象になるとは限りません。ただ、経営力向上計画の認定を受ける事がスタートである事には変わりません。
経営力向上計画の策定と申請
申請方法
経営力向上計画に係る認定申請書には、様式1と様式2の2種類の申請様式がありますが、不動産取得税の軽減措置を活用しない場合には様式1です。ほとんどの場合は様式1です。さらにweb申請がほとんどです。ウェブ申請にはgBizプライムが必要です。手続きがまだの方はこちらからお願い致します。
提出先 不動産取得税の軽減は都道府県となります。
電子申請対応がされていない場合も、「経営力向上計画申請プラットフォーム」を利用して申請書を作成し、打ち出したものを郵送で申請することは可能(※2)です。また、申請書の内容がプラットフォームに保存されるため、変更申請書を作成する際に活用できます。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/ninteisinsei.html
※2 一部、経営力向上計画申請プラットフォームで申請書を作成できない場合があります。
主な必要書類
経営力向上計画は設備投資での利用がダントツに多いため、設備投資について抜粋し掲載します。
経営力向上計画への申請書の書き方
認定申請書の雛形の取得は、下記から可能です。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/ninteisinseisyo.html
様式1
特に問題ないと思います。提出先は業種によりそれぞれですので、「申請書の宛名 経営力向上計画」で検索をしてチェックします。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/download/jiigyouteisyutu.xlsx?0208
1名称等、2事業分野と事業分野別指針名、3実施時期
事業分野は日本標準産業分類で調べます。例えば、お蕎麦屋さんは次です。
76 飲食店 7631 そば・うどん店
事業分野別指針に指針名は記載されています。
そば・うどん店 の場合、外食・中食産業に係る経営力向上に関する指針です。
実施時期は、計画開始の月から起算して、3年、4年、5年のいずれかの期間となります。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kihonhoushin/shishinbunya03.pdf
「事業分野別指針」が策定されていない事業分野については、「基本方針」に記載されている「経営力向上の定義及び内容に関する事項」と「経営力向上の実施方法に関する事項」を踏まえて経営力向上計画を策定する事になります。
4 現状認識
自社の事業概要やサービスについては、問題ないと思います。経営力向上計画を作成しているとローカルベンチマークの算出結果を記載する事になりますが、ご心配無用です。決算書を入力すれば、自動計算です。経営課題については、向上させる事業分野に限りませんが、この程度の内容です。
5 経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標
事業分野別指針をもとに、指標を選び、実施期間の伸び率を記載します。
現状は決算数値とし、計画終了時の目標は終了前の決算をベースに算出します。
基本方針に従う場合には、労働生産性を指標とします。
労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷ 労働者数または労働者数x1人当たり年間就業時間
6 経営力向上の内容
ここからが苦労されるところだと思います。特に具体的な実施事項については、頭の整理が必要です。
経営力向上に関する指針を見ながら作成します。
なお、基本方針に基づいて計画を策定する場合には、記載する必要がありません。
7 経営力向上を実施するために必要な資金の額及びその調達方法
(1)については、問題ないかと思います。
(2)(3)については、中小企業信用保険法の特例を使う場合のみ記載します。
8 経営力向上設備等の種類
税制措置を活用する場合に、記載する事になります。かなりの方がこちらを記載されるかと思います。
事前に取得した証明書等の番号を記載する事になります。
9番以降については、事業承継の取り組みがある場合に記載する事となります。
チェックシート
オンライン申請する場合には、オンラインで回答するので、チェックシートの作成は不要です。
さいごに
ページ数は少ないですが、悩む部分も実際にはあると思います。認定支援機関である藤原淳税理士事務所は経営力向上計画の申請サポートが可能です。設備投資や給与はいくらまで可能か。そもそも資金をどうするかの融資サポートをしています。藤原淳税理士事務所は平塚市周辺のお客様はもちろん、九州までお客様はおりますので、気兼ねなくお問い合わせください。