最終更新:2026年8月15日(公募要領1.2版・2026年8月14日更新に対応)
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募が始まっています。本記事では、公募要領(第1回・1.2版/令和8年8月・独立行政法人中小企業基盤整備機構)に基づいて要点を整理します。
この補助金の要点
- 申請締切は2026年10月30日(金)18:00(厳守)。申請受付の開始は9月30日
- 枠は3つ。補助上限は従業員数で段階的に決まる(「最大9,000万円」は賃上げ特例を使い、かつ101人以上の場合の額)
- 補助下限額がある。革新枠100万円/新事業進出枠・グローバル枠750万円。下限に届かない事業規模では申請できない
- 賃上げ2要件は未達だと返還義務。3〜5年の事業計画として引き受けられるかが実質的な入口
- ものづくり補助金・新事業進出補助金とは別の補助金。過去に交付決定を受けていると減点になることがある
ものづくり補助金・新事業進出補助金との関係
事務局は本補助金について、「『中小企業新事業進出補助金』と『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』とは異なる補助金です」と明記しています。両補助金の後継・統合という位置づけではなく、新たに創設された別の補助金です。
なお、申請締切日を起点として過去3年間にものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている場合、審査で減点されます(後述)。
本記事の前提:第1回公募のスケジュールは2026年7月17日に変更されており、本記事は変更後の内容です。従業員規模・申請枠・特例の適用有無で金額と要件が変わるため、個別の該当性は必ず公募要領でご確認ください。
制度の概要
技術的革新性のある製品・サービスの開発、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制の強化に係る設備投資等を支援する制度です。企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上と、賃上げにつなげることが目的とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施機関 | 独立行政法人中小企業基盤整備機構(事務局:全国中小企業団体中央会を主幹事とするコンソーシアム) |
| 申請枠 | 革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠 |
| スケジュール | 公募開始 令和8年6月29日/申請受付 9月30日/申請締切 10月30日 18:00/採択発表 令和9年1月頃(予定) |
| 申請方法 | 電子申請システムのみ(GビズIDプライムアカウントが必要) |
| 同一事業者の申請 | 1回の公募につき1申請まで(みなし同一事業者を含む) |
3つの申請枠
補助上限額は従業員数によって段階的に決まります。各表のカッコ内は賃上げ特例(後述)の適用を受ける場合の引上げ後の金額です。
革新的新製品・サービス枠 / 補助下限額 100万円
革新的な新製品・新サービス開発の取組を支援する枠です。既存の製品・サービスの生産プロセスの改善・向上を図る事業は対象外で、単に機械装置・システム等を導入するにとどまり新製品・新サービスの開発を伴わないもの、同業の中小企業者等で既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発も該当しません。
| 従業員数 | 補助上限額(賃上げ特例適用時) |
|---|---|
| 1〜5人 | 750万円(850万円) |
| 6〜20人 | 1,000万円(1,250万円) |
| 21〜50人 | 1,500万円(2,500万円) |
| 51人以上 | 2,500万円(3,500万円) |
- 補助率:中小企業者 1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)/小規模企業・小規模事業者、再生事業者 2/3
- 実施期間:交付決定日から10か月以内(ただし採択発表日から12か月以内)
- 機械装置・システム構築費が必須
新事業進出枠 / 補助下限額 750万円
既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。①新たに製造・提供する製品等が申請者にとって新規性を有し、かつ②その製品等の属する市場が申請者にとって新たな市場であることが要件です。ここでいう新規性は「日本初・世界初」ではなく、申請する中小企業等にとっての新規性を指します。
| 従業員数 | 補助上限額(賃上げ特例適用時) |
|---|---|
| 1〜20人 | 2,500万円(3,000万円) |
| 21〜50人 | 4,000万円(5,000万円) |
| 51〜100人 | 5,500万円(7,000万円) |
| 101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
- 補助率:中小企業者(小規模企業・小規模事業者、再生事業者を含む) 1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)
- 実施期間:交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)
- 機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必須
- 補助率1/2の場合、下限750万円=補助対象経費で1,500万円以上の事業規模が必要になります
該当しない例:既存の製品等の製造量・提供量を増大させる場合/過去に製造していた製品等を再製造等する場合/単に既存の製品等の製造方法を変更する場合/既存の製品等と対象とする市場が同一である場合(単なるメニューの追加を含む)/既存の製品等が対象で、単に商圏が異なるだけの場合。
グローバル枠 / 補助下限額 750万円
海外市場開拓(輸出)に向けた、国内の輸出体制強化の取組を支援する枠です。自発的に新たな海外販路を開拓するうえで必要となる国内製造等拠点の強化が対象で、取引先主導の事業は対象外です。補助上限額の段階は新事業進出枠と同じです。
- 補助率:中小企業者(小規模企業・小規模事業者、再生事業者を含む) 2/3
- 実施期間:交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)
- 対象経費に海外旅費・通訳・翻訳費が加わります
補助対象者
日本国内に本社および補助事業実施場所を有する中小企業者等が対象です。製造業だけでなく、建設業、運輸業、卸売業、小売業、サービス業、旅館業、ソフトウェア業なども対象になりますが、業種ごとに資本金または常勤従業員数の基準があります(いずれかを満たせば該当します)。
対象外になる法人格
一定の組合・連合会は対象ですが、これらに該当しない組合・連合会、財団法人(公益・一般)、社団法人(公益・一般)、医療法人、法人格のない任意団体は対象外です。
業種別の資本金・常勤従業員数の基準(表を開く)
中小企業者(会社または個人)/いずれかを満たせば該当します。
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ及びチューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
小規模企業・小規模事業者(革新的新製品・サービス枠で補助率2/3となる区分)
| 業種 | 常勤従業員数 |
|---|---|
| 製造業 | 20人以下 |
| 商業・サービス業 | 5人以下 |
| うち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| その他の業種 | 20人以下 |
このほか、資本金10億円未満で常勤従業員数が一定以下の「特定事業者の一部」(製造業・建設業・運輸業500人以下、卸売業400人以下、サービス業・小売業300人以下 等)も対象に含まれます。
補助対象事業の要件(3〜5年の事業計画)
以下の要件をすべて満たす3〜5年の事業計画に取り組むことが必要です。
賃上げ関連の2要件は、未達だと補助金の返還義務があります
- 賃上げ要件:一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上。未達なら未達成率を乗じた額を返還(従業員等への表明がなかった場合は交付決定取消・全額返還)
- 事業場内最賃水準要件:事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準。未達なら「補助金交付額÷事業計画年数」を返還
ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ企業全体として事業計画期間の過半数(事業場内最賃水準要件は当該事業年度)が営業利益赤字の場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は、返還を求めないこととされています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 付加価値額要件 | 付加価値額の年平均成長率4.0%以上の増加を見込む計画(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費) |
| 賃上げ要件 | 一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上。交付申請時までに全従業員または従業員代表者へ目標値を表明 |
| 事業場内最賃水準要件 | 毎年、事業場内最低賃金が実施場所都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準 |
| ワークライフバランス要件 | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し「両立支援のひろば」で公表 |
| 子育て等に関する職場環境整備要件 | (ア)ライフデザインサービスの活用、(イ)家事代行・ベビーシッターサービスの活用、(ウ)子育て等に関する既存制度の周知・普及・啓発 のいずれか1つ(くるみん等の認定取得事業者は免除) |
| 金融機関要件 | 金融機関等から資金提供を受ける場合、資金提供元から事業計画の確認を受け「金融機関による確認書」を提出(自己資金のみなら不要) |
特例措置
| 特例 | 効果 | 追加要件 |
|---|---|---|
| 賃上げ特例 | 補助上限額の引上げ(各表のカッコ内) | 一人当たり給与支給総額の年平均成長率を基準値に+2.5%(合計+6.0%)以上、事業場内最低賃金を基準値に+20円(合計+50円)以上。いずれか一方でも未達なら引上げ分の補助金全額を返還 |
| 地域別最低賃金引上げ特例 | 補助率の引上げ(1/2→2/3) | 2024年10月から2025年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上。適用時は基本要件から事業場内最賃水準要件が除かれる |
賃上げ特例は、各申請枠の補助上限額に達しない場合は適用できません。革新的新製品・サービス枠で地域別最低賃金引上げ特例を申請する事業者、革新的新製品・サービス枠およびグローバル枠で申請する再生事業者は、賃上げ特例を適用できません。補助率がすでに2/3である小規模企業・小規模事業者(革新枠)、再生事業者、グローバル枠の申請者は、地域別最低賃金引上げ特例を適用できません。
補助対象経費
まず押さえたい3点
- 単価10万円(税抜)以上の機械装置等が対象。革新枠は機械装置・システム構築費が、新事業進出枠・グローバル枠は機械装置・システム構築費または建物費が必須
- 車両・船舶・航空機は対象外(税法上の車両運搬具に該当するもの。修理費・車検費用・内装費用も同様)
- 申請支援の費用は対象外。事業計画書・申請書・報告書など事務局に提出する書類の作成・提出に係る費用は補助対象になりません
経費区分ごとの上限(表を開く)
| 経費区分 | 主な内容 | 上限(補助対象経費総額・税抜きに対して) |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 専ら補助事業に使用する機械装置・工具器具、専用ソフトウェア・情報システムの購入・製作・構築・借用、これらと一体で行う改良・据付け・運搬 | ―(単価10万円(税抜)以上のもの) |
| 建物費 (新事業進出枠・グローバル枠のみ) |
専ら補助事業に使用する生産・加工・販売・検査施設等の建設・改修、必要な建物の撤去、建物に付随する構築物の建設 | ―(建物の単なる購入・賃貸は対象外) |
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等 | ― |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入に要する経費(書面契約が必要) | 1/3 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権等の取得に要する弁理士手続代行費用、外国特許出願の翻訳料等 | 1/3 |
| 外注費 | 検査・加工・設計等の一部を外注する場合の経費 | 1/4 |
| 専門家経費 | 技術指導・助言に係るコンサルティング業務や旅費(1日1人5万円が上限。大学教授・弁護士・弁理士・公認会計士・医師は1日5万円以下、准教授・技術士・中小企業診断士・ITコーディネータは1日4万円以下、それ以外は1日2万円以下) | 1/5 |
| クラウドサービス利用費 | 専ら補助事業に使用するクラウドサービスの利用費(サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費、PC・タブレット・スマートフォン本体は対象外) | ― |
| 原材料費 | 試作品の開発に必要な原材料・副資材の購入費(実施期間終了日時点の未使用残存品は対象外) | ― |
| 広告宣伝・販売促進費 | 補助事業の製品・サービスに必要な広告作成・媒体掲載、PRウェブサイトの構築、展示会出展等 | 事業計画期間1年当たりの新製品等の売上高見込み額(税抜)の5% |
| 海外旅費 (グローバル枠のみ) |
本事業に必要不可欠な海外渡航・宿泊等(一度の渡航で事業者3名まで、1人当たり最大50万円) | 1/5 |
| 通訳・翻訳費 (グローバル枠のみ) |
事業遂行に必要な通訳・翻訳(広告宣伝・販売促進に必要な翻訳のみ。契約書の翻訳は対象外) | 30万円(税抜) |
主な補助対象外経費(一覧を開く)
- 既存事業に活用する経費、既存事業と共用される経費など、専ら補助事業のために使用されると認められない経費
- 事務所等の家賃・保証金・敷金・仲介手数料・水道光熱費、諸経費・一般管理費など内訳が確認できない経費
- フランチャイズ加盟料、商品券等の金券、飲食・接待等の費用
- 自動車等の車両(税法上の車両運搬具に該当するもの)、船舶、航空機の購入費・修理費・車検費用・内装費用
- 汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用パソコン、プリンタ、文書作成ソフト、タブレット端末、スマートフォン、デジタル複合機、カメラ、書籍、家具家電等)
- 不動産・構築物・簡易建物(ビニールハウス、コンテナ、ドームハウス等)・株式の購入費
- 税務申告・決算書作成等のために税理士・公認会計士等に支払う費用、訴訟等のための弁護士費用
- 事業計画書・申請書・報告書等、事務局に提出する書類の作成・提出に係る費用
- 自社の人件費、旅費(グローバル枠の海外旅費を除く)、収入印紙、振込手数料、各種保険料、借入金の支払利息
- 公租公課(消費税および地方消費税額等)
- 再生可能エネルギーの発電設備(太陽光パネル等)および一体不可分の附属設備
- 他の国の補助金・委託費等により既に受給の対象となっている経費
- 申請者と同一の代表者・役員が含まれている事業者、みなし同一事業者、資本関係がある事業者への支払い
申請までに準備が必要なもの
取得・公表に日数を要し、遅れを理由とした申請期限の延長は認められません。
| 準備事項 | 所要期間の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| GビズIDプライムアカウント | 発行に1週間程度 | 電子申請に必須 |
| 一般事業主行動計画の策定・公表 | 公表手続きに1〜2週間程度 | 「両立支援のひろば」に公表。申請締切日時点で有効なもの。2週間以上の余裕をもった申請が推奨されています |
| 金融機関による確認書 | ― | 金融機関等から資金提供を受けて実施する場合 |
見積書は「申請時」ではなく「採択後」
3者以上の相見積り(契約先1件当たりの見積額合計が50万円(税抜)以上の場合に必要)が求められるのは、採択後の交付申請手続きの際です。応募申請時の添付書類ではありません。ただし公募要領も「申請の準備段階であらかじめ複数者から見積もりを取得しておくと、速やかに補助事業を開始できる」としています。
なお、金融機関確認書を発行した金融機関や事業計画作成支援者への発注・見積もりは認められません。
事業計画は申請者自身が作成する
外部支援者の助言を受けることは差し支えありませんが、作成自体を申請者以外が行うことは認められず、発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消となります。支援者がいる場合は、支援者名・支援内容・報酬(予定)額・契約期間を電子申請システムに入力する必要があり、入力がない場合も不採択等の対象です。
また、一定の審査基準を満たした事業者には口頭審査(オンライン・1事業者15分程度)が行われます。申請事業者自身(法人代表者等)が対応する必要があり、支援者・コンサルタント等の同席は一切認められません。
加点項目 — どこから手をつけるか
加点項目は17あります。ただし今から取りに行けるものは限られます。締切(10月30日)から逆算すると、実務的には次の3つに分かれます。いずれも申請締切日時点で満たしている必要があります。
① 今からでも間に合う — 登録・公表するだけのもの
審査や認定を伴わず、ポータルサイトでの登録や宣言の公表で要件を満たすものです。着手のハードルが最も低い区分です。
- パートナーシップ構築宣言(令和8年1月1日に更新されたひな形を利用して宣言を公表)
- 成長加速マッチングサービス(会員登録を行い、挑戦課題を登録)
- 新規輸出1万者支援プログラム(グローバル枠のみ/ポータルサイトで登録を完了)
- 日本の食輸出1万者支援プログラム(グローバル枠のみ/同上)
② 今から動くなら、締切から逆算が必要 — 申請・審査があるもの
- 事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画(経済産業大臣の認定)。自然災害等に備えた事前対策を計画にまとめて認定を受けるもので、電子申請(GビズIDが必要)です。申請から認定までに審査期間があるため、締切から逆算した着手が必要です
- 経営革新計画(都道府県等の承認。申請締切日時点で有効な承認であること)。手続きと所要期間は都道府県ごとに異なります
- DX認定。IPAは標準処理期間を60営業日としているため、今回の公募(10月30日締切)には間に合わない可能性が高い区分です
③ すでに該当していないか確認するもの — 今から取得するものではない
過去の実績や既存の認定で決まる区分です。気づかないまま該当していることがあるので、申請前に一度確認する価値があります。
- 研究開発費・試験研究費の計上(申請締切の前期までに、会計上の研究開発費または税務上の試験研究費を計上していること)。過去4年以内に税務申告で使用した別表六(十)の写しなどで確認されるため、顧問税理士が申告書を見れば該当の有無が分かります
- くるみん(トライくるみん・くるみん・プラチナくるみん)/えるぼし(1〜3段階・プラチナえるぼし)/健康経営優良法人2026/技術情報管理認証制度/J-Startup・J-Startup地域版/アトツギ甲子園のピッチ大会出場/再生事業者
- 地域別最低賃金引上げ・事業場内最低賃金引上げ(後者は2025年7月と応募申請直近月を比較し、全国目安で示された額(63円以上)の賃上げ)。いずれも賃金台帳で決まるため、給与データを確認すれば該当の有無が判定できます
加点項目17件の全一覧(公募要領の順に開く)
- パートナーシップ構築宣言加点
- くるみん加点
- えるぼし加点
- 健康経営優良法人加点(健康経営優良法人2026)
- 再生事業者加点
- 経営革新計画加点
- 事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画加点
- DX認定加点
- J-Startup、J-Startup地域版加点
- 新規輸出1万者支援プログラム加点(グローバル枠のみ)
- 日本の食輸出1万者支援プログラム加点(グローバル枠のみ)
- 研究開発費・試験研究費計上に係る加点
- 技術情報管理認証制度加点
- 成長加速マッチングサービス加点
- アトツギ甲子園加点
- 地域別最低賃金引上げに係る加点
- 事業場内最低賃金引上げに係る加点
このうち⑬技術情報管理認証制度・⑭成長加速マッチングサービス・⑮アトツギ甲子園は、1.2版(2026年8月14日更新)で追加された項目です。
減点項目 — 申請するかどうかの判断に関わります
加点だけでなく減点も定められています。とくに次の2つは、過去の補助金の受給歴そのものが減点になります。
- 補助金の複数回利用:申請締切日時点を起点に、過去3年間にものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者
- 他の補助事業の事業化が進展していない:新事業進出補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金を受給し、直近の事業化状況報告等における事業化段階が3段階以下の場合
このほか、賃上げ加点の未達(未達報告から18か月間・大幅減点)、ものづくり補助金・新事業進出補助金での基本要件未達、類似テーマの申請集中による過剰投資の抑制、が減点対象とされています。
採択後・交付決定後に外せない点
交付決定日より前の契約(発注)は補助対象になりません
採択されただけでは着手できません。設備の発注時期を採択発表後の交付決定に合わせて計画する必要があります。
期限が2段構えになっています
- 補助事業実施期間内に完了が必要なのは、契約(発注)・納入・検収・支払等の手続き。期間の延長は原則認められません
- 実績報告書は、補助事業を完了した日から起算して30日を経過した日、または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに提出。期限までに提出されなければ交付決定が取り消されます
- 採択後、事務局のオンライン説明会への参加が義務。不参加なら採択は自動的に無効になります
- 交付申請は、原則として採択発表日から遅くとも2か月後の日までに行う必要があります
- 交付申請時の精査で減額され、補助下限額(革新枠100万円、新事業進出枠・グローバル枠750万円)を下回ると採択取消になります
- 支払いは銀行振込の実績で確認されます。現金払い・相殺・代引き・手形・小切手・ファクタリング、PayPayやPayPalなどの決済サービスは対象外です
- 補助金額の確定にあたっては、原則として事務局による実地検査が行われます
- 建物等を建設した場合は保険への加入義務があります。最低でも事業計画期間終了までの間、自然災害(風水害を含む)による損害を補償し、申請した補助金の補助率以上の付保割合を満たす保険・共済に加入し、実績報告時に加入を示す書類を提出します。保険料自体は補助対象外経費なので、資金計画に織り込んでおく必要があります
- 取得価格が単価50万円(税抜)以上の機械・器具等は処分制限財産となり、処分には事前承認が必要です
- 補助事業完了年度の翌年度から5年間、計6回の事業化状況報告の義務があります
税務・経理上の取扱い
経理で押さえる2点
- 補助金は法人税等の課税対象です
- 補助金の受取は消費税の課税対象外(不課税)。交付申請の際に消費税等仕入控除税額を減額して記載する必要があります
消費税
交付申請の際に消費税等仕入控除税額を減額して記載するのは、課税事業者(免税事業者および簡易課税事業者以外)の場合、補助事業に係る課税仕入れに伴って消費税等の還付が生じるため、還付と補助金交付が重複しないようにする趣旨です。消費税等そのものは補助対象外経費とされています。
経理・書類保存
補助事業者は「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」に拠った信頼性のある計算書類等の作成・活用に努めることとされ、補助事業に係る収支の事実を明確にした証拠書類を、補助金を受給した年度の終了後5年間保存する必要があります。
決算をまたぐ場合の取扱いは、個別の確認が必要です
本補助金は精算払いで、補助事業の完了・実績報告・額の確定を経て入金されます。そのため設備を取得した事業年度と、補助金が確定・入金する事業年度がずれることがあります。
この場合、収益をどの事業年度に計上するか、また設備の取得について圧縮記帳などの特例を適用できるかは、交付の確定時期・取得時期・事業年度の組み合わせによって結論が変わります。適用できる前提で資金計画を立てると、想定外の税負担が生じることがあります。決算期をまたぐ見込みがある場合は、事前に顧問税理士へご確認ください。
問合せ先・公式情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事務局 | 全国中小企業団体中央会を主幹事としたコンソーシアム(独立行政法人中小企業基盤整備機構) |
| 問合せ方法 | 公式サイトの「コールバック予約システム」で希望日時を予約(個別の申請内容に関する問合せは、申請した事業者本人または従業員からのみ受付) |
| 公式サイト | https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/ |
出所:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.2版 令和8年8月(2026年8月14日更新)/独立行政法人中小企業基盤整備機構、中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました」、情報処理推進機構(IPA)「DX認定制度」(標準処理期間60営業日)
【ご利用上の注意】
本記事は本補助金の一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・申請助言ではありません(本記事の作成日:2026年8月6日/最終更新:2026年8月15日・公募要領1.2版に対応/新製品・新サービスの開発や新市場への進出を検討している中小企業・小規模事業者を主な想定読者としています)。公開後に公募要領の改訂・年度交替、予算頭打ちによる受付終了などが生じる可能性があります。最新情報は、本文掲載の公式情報源(公式サイト・公募要領)にて必ずご確認ください。記事内容に基づく判断・行動により生じた損害について、藤原淳税理士事務所は一切の責任を負いかねます。本制度・関連する税務に関するご相談は当事務所までお問い合わせください。
